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とある強化系の魔法使い そのに

 
突然であるが、この少年、シュウ=カタギリは強化系である。
そんな彼が作った能力により、彼は『魔法を使うことが出来る』
 
……さて、この能力は何系に属するのだろうか。
 
 
オーラを魔力や気に変換するなら、変化形。
魔力や気を具現化するなら、具現化系。
少々強引だが、魔法を操ると解釈するなら、操作系?
魔法という現象を放つなら、放出系?
一切合財無視して、魔法を使えるという能力なら、特質だろう。
 
ところがどっこい、強化系なのである。
 
 
彼は何日も、魔法の練習をするところを周囲の人に見せ付けた。
それは『見習い魔法使い(笑)』という概念となった。
そのままではあくまで幻想。
しかし、その幻想を彼は強化した。
 
そう、彼は『見習い魔法使い(笑)』から、『見習い魔法使い』へと。
念能力によるランクアップを果たしたのである。
……これも彼の独自理論による結果。
 
 
良く言いますよね? ――馬鹿と天才は紙一重って。
 
 
 
 
 
 
さて、ここで彼は困った。
あくまで『見習い魔法使い』である為、『魔術』は使えないのである。
Fateの『魔法』なら使えるんじゃ? と思うかもしれないが、それは無理である。
 
『平行世界への移動』やら『魂の物質化』などを、見習いが完璧に使いこなすのは無理。
そして、それらを教えてくれる人間も居ない。
更に、失敗した時のリスクが高すぎて、練習できる訳が無い。
 
 
まぁ、仕方ないので彼は詠唱のやたら長いネギま魔法を頑張って習得した。
というか呪文を原文のまま、丸暗記した。
 
その結果、彼が分かったことは、ラテン語と称される言葉を習得すれば、オリジナル魔法が作れる……はずだということ。
精霊の存在の有無についてはガン無視である。まぁ、発動はするのだから考える必要は無いかもしれない。
 
 
呪文を原文のまま丸暗記、と言ってもやはり漏れは出る。
自分だけの呪文書でも作るべきだろう、と彼は思い立った。
 
ついでとばかりに、やはりリョウマ=ニシオ執筆の『ラテン語辞書』を片手に、彼は高速で本が読める魔法を適当に作った。
 
 
「本の精霊29柱 集い来たれ 我汝らに助力を嘆願す 『高速読書』」
 
 
詠唱が完了すると、『魔法先生ネギま!』の単行本が29冊、本棚から空中へと躍り出る。
バラララララ、と凄まじい勢いでページがめくれ、その中の情報が少年の頭に潜りこむ。
数秒後、少年は全てを記憶し切るのを諦め、呪文書作りに取り掛かった。
 
 
「筆の精霊1柱 我汝に助力を嘆願す 『自動書記』」
 
 
少年は呪文を明らかに流用したが、それでも彼の筆箱からは一本のペン(分類は筆である)が躍り出て、少年が机に置いた白紙の紙に呪文が書き込まれていく。
呪文書作りまでやらせる所を見るに、彼は相当怠けものなのかと思う人も居るかもしれないが、そんなことは無い。
ただ、文字が汚すぎる為に、読書魔法でも読み取れるか良く分からなかったからである。
 
紙が文字で一杯になれば、次の紙を、という具合にして、彼は四枚程の紙に呪文を写し終えた。
それをクリアホルダーに入れ、読書魔法で読み取れることを確認。
 
彼は意気揚々と山へと向かった。
 
 
 
 
 
 
苦労しながらもどうにかこうにか結界を貼り、彼は魔法の練習を開始した。
 
 
「光の精霊11柱 集い来たりて 敵を討て 魔法の射手 連弾・光の11矢」
 
 
パパパパッ! と結界と外界を分ける面で光が爆ぜる。
まるで花火のような光景だったが、少年は一瞬見惚れただけで、次の魔法の詠唱に入る。
 
 
「闇の精霊11柱 集い来たりて 敵を討て 魔法の射手 連弾・闇の11矢」
 
 
ボボボボッ! と青空に黒いペンキが塗りたくられる。
しかし、それもすぐに消えて少年の頭上には、青空が広がっていた。
 
その後も彼は他の属性の魔法も練習を続けたが、特に発動しないということも無く、結界にかかる負荷もそう変わらなかった。
別に全属性使えて困る訳でなし、彼は少し小躍りしながら、今度は無詠唱の練習に入るのだった。
 
 
 
 
 
 
ふと、少年はあることを思い出した。
“立派な魔法使い”を守る存在、ミニステル・マギである。
 
仮契約をすれば、自動的にアーティファクトが手に入るが、問題は誰と契約するかである。
(アーティファクトの有無は術者の魔力量なども関係するが、彼の脳裏からは消え去っている)
 
 
そんな少年の脳裏に、一人の少女が浮かんできた。
アキナ=ヤマムラというその少女は、彼の近所に住む少女であり、彼の同志である。
アーティファクトが手に入る、と話せばキス程度は簡単にするだろう。
(彼は作中の細々した説明はスルー、もとい飛ばし読みしていたので、キス以外の契約方法を知らない)
 
善は急げ、とばかりに、彼は荒れた植物を整えてから、結界を解除した。
そして、夕闇の中をアキナの家目掛けて駆けていくのだった。
 
 
 
 
「アンタ、バカァ?」
 
 
アキナの家に突撃し、説得を試みた彼が聞いたのはかの名作「新世紀エヴァンゲリオン」のアスカの真似だった。
彼らは映像で見ていないから分からないだろうが、非常にそっくりである。
 
 
「火よ灯れを繰り返して魔法を使えるようになったのは、一先ず置いておくわ。
で、も! なんで仮契約を私としようとか考えるのか! さっぱり分からない!」
 
「いや、ホラ、男と男がキスしてるのって気持ち悪くない? その点、アキナならかわいいし」
 
「むしろBL万歳なんだけどね、私」
 
 
褒め言葉をスルーしての言葉がコレである。コレさえ無ければ、彼はアキナに告白していただろう。
 
アキナは控えめに言っても美少女だ。
目鼻はキリッ、としているし、唇は少々厚めで彼の嗜好にピッタリ合致する。
ツインテールに纏められたサラサラとした黒髪は触るだけで心地良いし、スリムながら最小限の肉は付いた体はやはり彼の嗜好に合致する。
シュウ=カタギリの脳内嫁を現実補正した姿が、アキナ=ヤマムラだと言っても過言では無い。
 
 
ただ、しかし。BL嗜好だけは頂けない。
 
 
シュウはそこそこ女顔の為に、かつて大きいお兄さんに情欲の篭った視線で見詰められたことがある。
同姓だからこそ、幼くとも理解出来る醜悪な欲望。対象を汚そうとする悪意。
多感な時期にそんなことをされれば、嫌でもトラウマになるのは決まりきったことである。
 
にじり寄る男。そして追い詰められるシュウ。
そして男はズボンを――
 
 
吐いた。
 
 
そんなこんなで、シュウ=カタギリにとっての鬼門はBLなのである。
それを嗜好する人間に関わっているのは、単に好きなキャラが似通っていたり、外見が好みだというだけだ。
だが、この条件が揃っている男なら、シュウは絶対に拒絶したであろうことは断言しなければならないだろう。
 
 
「それで? アーティファクトは要るの? 要らないの?」
 
「要るに決まってるでしょ。それとこれとは話が別よ」
 
 
ハァ、と溜息を吐きながら、シュウは床に魔法陣を描いた。
オーラで描く為に、終わればすぐに消せる便利な魔法陣である。
 
描き終わると同時に発光し始めた魔法陣に、二人はほぼ同時に侵入した。
行為を後押しするものなのか、オーラが二人の体を這い回り、アキナは予想外の心地良さに口から空気を逃がした。
それでも抑え切れなかったのか、アキナの体がふら付く。
それを見たシュウは、抱きかかえるようにアキナの体を支えた。
 
そして、至近距離でアキナの顔を見たシュウは仰天した。
あの、アキナが、弱弱しい表情で顔を上気させているのだ。
 
そして、目が合い……どちらからともなく、唇が触れ合った。
 
 
ポウッと光と共にカードが出現し、魔法陣は消える。
フラリと、アキナの体がよろけて床に崩れ落ちる。
体からは一切の力が抜け、くたりとしている。
シュウは心配になったが、胸が上下しているのを確認し、一先ず安堵の息を吐いた。
 
 
ふと、シュウはアキナの足元に落ちているカードに気がついた。
 
アキナ=ヤマムラ。
称号は『跳ねっ返りな少女』
徳性は節制。
方位は南。
色調は緑。
数字は11。
星辰性は金星。
 
シュウはそのカードを拾うと、呪文を唱えた。
唱え終わると、その手にはもう一枚の同じカードがあった。
一連の作業が終わったシュウは、アキナをベッドに運び、カードを握らせた。
すうすうと寝息をたてるアキナの髪を梳いていると、アキナの母が入ってきた。
 
 
「あら。お邪魔だったかしら」
 
「いえ、寝てしまってどうしようかと思っていたところなので、丁度良いです。後のことはお任せします」
 
「ええ。分かったわ。……それにしても、アキナったらシュウ君が来てるのに寝ちゃうなんて」
 
「あはは……じゃあ、僕は帰ります」
 
 
アキナの母は何かを言いかけたが、それより早くシュウは部屋を脱出していた。
そして、そのままアキナの家を出て、シュウは一目散に自身の家を目指した。
 
 
 
 
 
 
ちなみに、アキナの母が、アキナの手に握られているカードを見て、
 
 
「あらあら」
 
 
と、少し嬉しそうな顔で言っていたのは丸っきり余談である。
 
 
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愉悦(´・ω・`)


好きな作家は、奈須きのこと西尾維新。
最近は成田良悟も。

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